長田英吉 辞典
Osada Eikichi dictionary English

長田英吉プロフィール (1925年3月15日〜2001年9月12日) 年表
栃木県出身。1925年3月15日生まれ。O型。
学生時代からのSM愛好家であった。
本業の印刷業を営みつつ、1965年、SMの会員組織「オサダ・ゼミナール」を設立。
とかく偏見の目で見られがちなSMをパブリックなものにし、その舞台はパントマイムなどをとりいれた画期的なものと評価され各地で大きな反響を呼んだ。
1980年劇場に進出。その縛りのスピード感とSMのかもし出す肉体の極限の追求にファン層も年々増え、その華麗な縄さばきに各地に固定客も多い。
法政大学卒業(専門部)。SM歴40年(?以上)
SMショーの神様的存在である。

(注)年代の記述は早乙女宏美さんの「性の仕事師たち」を参考に書きました。
  長田先生の話からいつの出来事か推測するのが難しかったので助かったと彼女にいったところ、だいたいのところを書いたとのこと。
  どーりでキリのいい数字ばかりが並んでるワケだ。(99.2.26追記)

* 長田先生は「縄師」と言われるより「緊縛師」と呼ばれたいという。
  「どーもなぁ、”縄師”っていわれるのは好かないなぁ。それより、”緊縛師”の方がピッタリくる」
  芸術的で、伝統芸のような匠の世界 そういう方が自分には合ってるという。
  それに”縄師”というと、縄を作ってる方の”縄屋”さんみたいだしなーとも。


長田先生の好物
M女性。カステラ、プリン。コーラ、ソーダ水、砂糖いっぱいのコーヒー。うな重。焼き魚、煮魚、エビフライ。
なす料理(メニューになす料理が載っていると思わず注文してる・・・。そして、なすが少ししか入ってないとがっかりしてる)
寝酒(月桂冠mini cup純米酒、小さなガラスの容器入りのが気に入って毎晩1つ。カリン酒・・・とか甘いお酒)

嫌いなものは牛乳。

SMショーの準備をする長田先生


SM以外の趣味
歌舞伎鑑賞。芝居見物。
必殺仕事人シリーズが気に入っている。藤田まことの殺陣が好き。そのモノマネがうまくって、やってやってとせがむと、サササッとやって見せてくれる。
そう言えば、長田先生は剣道3段の達人です。

手品が好きです。オーソドックスな手品の仕掛けはみなご存じです。手品でハトが出たり消えたり、動きのあるところがお気に入りで、これをSMショーにも応用したいと
常日頃、研究しています。先生のSMショーに、時々縄の手品が登場したりするのはこの影響です。

特技・・というわけでもないでしょうが棚を作ることが好きです。
新橋の事務所は壁中棚だらけ、おかげで小さいものも、飾りものも全部見渡せます。
99.2.25追記

長田先生の性格

素直。温和。
時にわが道をゆく、ところあり。

その1
バブルの頃、病院に入院したことがあり、師匠を訪ずねてゆくと・・・。
相部屋は嫌いだと言って、看護婦さんにすね続け、結局1人部屋に移ってしまった。
その個室に移った時、お見舞いにいってしばらくすると17時になった。
病院では夕食の時間である。
そろそろ失礼しようと思ったアシスタントをちょっと待ってといって、看護婦さんを呼ぶと
「夕食のメニューは何かな」と尋ねる。
「お夕食ですか?」
「・・・・こんなものだけど、いいかなぁ」とアシスタントに言って
看護婦さんに「同じものをもう1人前、この人にももって来てくれないか」
と頼む。
看護婦さんは、絶句したまま立ちつくし、あわてたアシスタントは
食事を断って早々に、退散したことを今でも思い出す。
驚いたけれど、師匠らしいってつくづく。

その2
97年6月の若松劇場でのこと。
徹夜での舞台作りの後、初日を迎えた。リハーサルはなく、息のあったコンビの早乙女宏美さんと出演。
彼女がまさに腹を切ろうとしている瞬間、同じ舞台の上に天井の具合を確かめるために道具をもってウロウロしている長田先生の姿があった。
職人肌というべきか
その後早乙女さんに「あんまりじゃぁないの」と云われても「ああ、そうかなぁ」と超越している。

その3
大塚にあるSMクラブ&ホテル「ブラック&ホワイト」の開店記念パーティにて
大勢の報道陣を前にSMショーを披露する長田先生。カメラの人は必死に陣取りしたり構えたりしてる。
ショーの途中、突然「(照明が)暗いなぁ」とポツリ。
驚く周りの人々。照明を明るく調整してもらったそのあと、平然とショーを続けてた。
まわりが見えてるのか見えてないのか、時々フツーでなくなる。


長田先生の縄

8〜10mぐらいの綿ロープものをぱーっと投げて使っている。
女性の体型に合わせて縄を切る。
端の始末は、糸でくくっていた時もあるけれど、今はビニールテープを固く巻いてからハサミで切る。
色付きのもの、特に赤を好んで使う。
師匠にどーして、色ものを使うのか綿ロープにこだわるのかを聞いてみた。
「人と同じじゃぁ嫌だから・・・」とか色付きの方がショーに向くとかいう。
本当の理由は判然とはしない。
世間で麻を使う人が増えた今、麻の方が写真映りがいいのを知るがゆえに、少しひがむような発言もあり。
師匠に麻を使って縛ってと、ゼミに来た方のリクエストゆえにお願いするけれど、気がすすまない様子。
やっぱり、綿が好きとしかいいようがない。

裏技
長田先生はよくショーで赤いローソクをいっぱい使っている。
ショーの後は赤のロープはローソクにまみれてグチャグチャ。縄を捨ててしまうか? 洗濯するか?
長田先生の場合は、束ねた縄にドライヤーをかける。縄へ近づけるとローソクは水滴状になって縄に吸収されてしまう。
ドライヤーを離すとすっかり表面は乾いており、ローソクが染みた後なんて全く残らない。縄も新しいのと同じ感触にもどる。ローソクの分、特にゴワゴワすることもない。

 長田先生の場合、付着したローソクのためだけでなく、ショーの前には入念に縄にドライヤーをかける。
少しでも湿り気があると縄が絡みやすく扱いにくくなるのだそう。10〜15分ぐらいは、感触を確かめつつドライヤーをあてる。
手っとりばやくは、乾燥機に入れてしまうことだけれど、これはあんまりやらない。


長田先生の縄の購入先
よく買うのは京橋にあるお店です。サンプルだけおいてある小さいところで、縄は箱で買って送ってもらっているようです。
綿ロープが充実してるとか。
普通の梱包材料屋さんですが・・・
(有)タミヤ 〒104−0031 東京都中央区京橋2−6−7
電話 03−3567−6331  FAX 03−3567−3615

参考・・・麻・合繊ロープ荷づくり材料 森田商店 〒170 東京都豊島区巣鴨2−16−2
TEL&FAX 03−3917−5519 営業18時までとか、固めの綿ロープ(白)を買ったことがあります。
10m以上であれば、売ってくれるようです。
 料金は高めですが、渋谷の東急ハンズにも綿ロープはありました。

ローソク
以前、和ローソクの方が熱くないとの理由から使っていたこともあるが、芯が落ちると火傷するのでやめてしまった。
現在は赤の直径3〜4cmぐらいのものを7本,赤のビニールテープで束ねて使用。赤といってもまわりだけのものもあるが、長田先生は中まで赤いのを使っている。
細いものなら、どこでも売っているが太いものはなかなか手に入らない。
長田先生は浅草橋の「東京ローソク製造」にて購入。(JR浅草橋駅東口から5分ぐらい歩いたところ)
東京都台東区浅草橋3−25−5
電話 03−3863−6041
FAX 03−3851−1413

カツラ
身につけるのはめんどうだと云いながらも、体裁がどーのこーのいいながら載せている。
純毛のカツラはとっておきとして、普段はポリエステル製(約1万円)を利用。純毛は重たく、合成は軽いという。
現在は阿佐ヶ谷で買ったのを使用中。カツラ屋のお姉さんが1時間以上かけて調整してくれた逸品。

かつらセンター 電話 03−5340−5390(中野十貫坂上)、03−5343−3911(中野ブロードウエイ地下)、047−381−2201(新浦安駅前ショッパーズプラザ2F)


長田先生のSMショー
音楽がかかっている時以外は「入ります」と言ってショーを始める。
賭場の壷振りの場面を想像してしまうけれど、いっつもこの言葉だけ。
先生にどうして「入ります」なんですか? と聞いたところ、「なんか言わなくちゃあヘンじゃぁないか」「まわりと合わないかもしれないけれど、ひとこといわなくっちゃあ」
ですって!!
そー言えば、ショー直前に「入るよ」と声をかけられたこともありました。

船橋若松劇場にて 長田英吉&小沢一美 写真提供 沼山正治郎土曜のサークルにて 長田英吉&小沢一美船橋若松劇場 長田英吉&早乙女宏美
オサダ・ゼミナールと音楽
ショーに使ってる曲はかなり以前に劇場に出ていたお姉さんからコピーさせてもらったものもあり、曲目不明のものもあります。
今も、そのCDを探しているのですが、なかなか見つからない。
ずーっと以前は喜多郎のものをよく使っていたとのことです。
雷の音、風の音・・・・これがいいんです。SMらしくて!!
長田先生は音楽に合わせて、縄をはじいたり鞭でたたいたりしています。
通常20〜30分のショーですが、もしも縄がもつれたり、ショーが延長したりした時のため予備の一曲(新世界)がテープに入っています。
そして、最後の曲までにショーがピッタリ終わる。長田先生の特技です。

TV番組では著作権の関係から今まで使っていた音楽が使えないとのことで一つ思い出しました。
長田先生は昔からSMには和太鼓が合うと云っており、自分で太鼓を買ってやってみるか考えてたこともあったぐらいです。
佐渡の太鼓(鼓童・・こどう)が好きなようです。太鼓といっても SMに合うものはどれでもいいってわけじゃあなくって・・・。
あまり自己主張しない方で、我慢だ、辛抱だと表面的にはわからない。
なんなら、クラッシック音楽(交響曲)でSMショーをやってもいいのではないかと云っていました。
99.9.24(99.11.26追記)

使用してる曲
ハーブ・アルパート大全集’82より アランフェス ARANFUEZ(MON AMOUR) (Rodrigo)(6:44)
KING CRIMSON/Red より Starless(12:18)
ドボルザーク 新世界
曲名不明のもの ニコ、ピアン、喜多郎→昔、劇場を回ってる時に踊り子さんからコピーさせていただいたため曲名不明なので曲名を探しています。
2000.5.19

長田先生のオシャレ
最上級のオシャレは胸にポケットチーフを角が3つぐらいに折りたたんで、ネクタイは縄の模様。(さり気なく縄目の柄を身につけるのがポイント)
スーツならこげ茶、あまりスーツは好きでないのかジャケットのことが多い。
はじめてM女さんに会う時とか、観劇の時にオシャレしてる。
普段はジャンパーを愛用。色は紺とか黒より緑色のような普通にはないものを選ぶ。
そーいえば、くつ下の色もしぶい緑。
紺とかは、ありきたりであまり好かないとか。
無頓着なようで、こだわってる。
オシャレしてるかどうか見分けるポイントは、ポケットチーフにある。
99.1.12


付録・・・・アシスタントM女のプロフィール
長田先生とは違ってコレといったSMに関する経歴はありません。しいていうなら、だいぶ前5年ぐらいSMレポートを雑誌に書いていた。1996年頃、長田先生と一緒に長田先生のSMを書いて載せたことがあるぐらいのものでしょうか
縛られることが好きでオサダ・ゼミにいついてしまったM女です。
渋谷にdogaというSMパブ(今のSMクラブピラミスの姉妹店)があった頃(1993年12月)、日本一狭い舞台でSMショーをやったのが長田先生とショーをやったはじめだったと思います。
SMは本業ではなく、SMにどっぷりつかった生活にあこがれてはいても、できるはずもなく今はただ、
オサダ・ゼミのマネージャー(お世話係り)といった存在です。
99.2.15(99.2.18追記)

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