踊る大捜査線2関連
長田一美のひとりごと
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映画作ってるという会社から電話があって、
映画なんですけど縛らないかとのお誘いが・・・。
簡単な話ならすぐに片付けてしまおうと、麻縄、黒メガネ、緊縛サンプル写真をバックにつめて出かける。 入ったのは普通の喫茶店。
木に縛られた死体(オトコ)という設定で縛るのだとか
SM系は初めてなのか 麻縄をめずらしそうに見られちゃったり。
「どこで上映されるの?」って聞いたら「全国」って。
殺人事件を解決するというストーリーかなぁ・・・って。
映画はやったことないから、なんとなくオモシロソウって思ったけど。
気に入ってくださりそうなのが 蜘蛛の巣縛りの写真。
SM的ではないけど 普通の人が選ぶと そういうものなのかなぁ・・と。
 ←これが その時の蜘蛛の巣縛りの写真
2003.2.5


映画の縛り、どんな風に縛るか実際に縛ってみて! とのことなんで。
助監督(オトコ)を縛る話に・・・。
縛られた死体という設定なんで、パンツはナシ。
グルグル巻きにして局部を隠すようにしてとのリクエスト。
それじゃあ、ゼミのスタジオに来ていただければ いろいろ縛って
みますと答えると
でも、成城でやっているから成城のスタジオに来てとの話。
じゃあ、場所の地図をくださいっていってウチに帰って
FAXみたら ”東宝スタジオ”ってあった。
思わず、サーッと血が引いてた。
ゼミのスタジオとは くらべモンにならないくらい立派なスタジオ!!
有名だし。それに、映画も「踊る大捜査線」だし。
みたことはないけど、オモシロそうな番組だなぁ・・って思った記憶が
よみがえってきて、これって、自主映画じゃなかったんだぁ・・って。
立派なスタジオを想像すると急に緊張モードに入ってしまいそう。
もう、師匠の付録ってわけにいかないし、自分でやらなくちゃならないんだ・・と。
(師匠が生きてたら、させてあげたいお仕事だけど。師匠はショー以外は引き受けない人だったなぁ・・って。 思い出していた)
2003.2.17


う〜ん、今日は面白かった!!
SMマニアじゃない人たちに囲まれながら縛り、まるで宇宙人になったような。
「後手に縛られるといいの?」「なんで?」
SM雑誌を広げながら「なんで対称に縛るんだろう?」 (だって気持ちよくないじゃないと答えるアタシ。 納得しない様子だった。)
縛られ好きの人は大体が後手が好き^^
わかんない人には不思議な話。 「ほかのポーズじゃだめなの?」って。
「胸の上下に縄がかかるのが気持ちイイっていうの」って説明しても・・・理解は遠い。
ああでもない、こうでもないって質問がいっぱい。
珍しい動物にあったみたいな反応が新鮮だった。
(この中の一人と最初に会った時、縛るのと縛られるのとではどっちが好き? って聞かれて、そりゃあM女だモン縛られるほうが好き♪って答えたけど 驚かれなかった。
淡々と、聞かれてるような・・・。観察されてるような・・・)
SMマニアのこだわりを話したところで どーもならないような感じがなぁ・・。
そういうアタシも別世界を覗きたくて縛りにいったクチだから、あんましいえないけど。
2003.2.20

久々に赤のロープを新調しようとロープ屋さんに電話。
「オサダ・ゼミナールですけれど・・・以前に買ったのと同じ赤の綿ロープください」というと
「まあ、まぁ、本当にしばらくぶりで・・・以前、お店にいらしてくださいました方ですよねぇ」と。
懐かしそうにされ 雰囲気から師匠はここでも好かれてたんだなぁ・・・と実感した。
2003.2.21

師匠のことを思い出しながら その辺のものを縛り続けてた。師匠が買ったロープ屋さんで同じロープを買い。 緊縛師として出かけるときには師匠の服を着ていこうと考えてた。
黒ずくめの服に黒のサングラス。 俺が最初にした格好だよっていつもいってた。
師匠のサングラスあるし。気持ちだけでも一緒に出かけよう。
師匠のものを何か身につけることで偲びたいと。
いろんなことあるのも、師匠が寂しくないようにしてくれてるみたいな気がして。
2003.2.22

普通の人との会話。
「縛られるのが好きな人はすごい好きですよ」なんて話をしながら
きつく動けなくなるぐらいに縛って欲しいって願望は多いです。
心が開放されるからってよくいわれますといったら
「解かれるときの開放感がいいんでしょうねぇ」って。
動けなくなるぐらいに縛られて何も考えなくていいと思うから心が開放されるって
ことなんだけど・・・と、説明したけど たぶんわかんなかったような。
不思議そうな顔してた。
2003.3.5

朝7時ちょっと前、渋谷駅近くに集合。
黒のバックに縄をいっぱい詰めて。待ち合わせの人たちと合流できなくて、一人でタクシ−で第3お台場公園へと向かう。完全防備のつもりで厚着して出たのに外で30分いただけですっかり寒くなった。これから野外で縛るというのに大丈夫だろうかと不安がよぎる。たどり着くと 死体を固定するバックの縄がほぼ張りおわった状態で、もっと早く着くべきだったなぁ・・・と。場所の設営は朝6時からやってるとかなんで、私が着いたのは7時40分頃と重役出勤。あまりやるところが残ってなくて!!
やはり始めからいるべきだったなぁ・・・。
セット終了後、バスに移動して死体役を縛りにゆく。
この日のために マイルドでハ−ドに見える亀甲縛りを研究。
4人の方々の協力を得て。(ナゼって説明しなかったけど、縛り方検討モデルをやってくれた。映画が公開されるまでは理由は説明できないから何だろうって思ったと思うけど何も聞かれなくて助かった。)
サンプル縛りでは30分ぐらいかかったので、早く縛れるモノにしなくてはとあせっていた。なんせ縛られる方は 当初、オ−ルヌ−ドの予定だったのが寒いので包帯を全身に巻いたのちに縛るというのに変わっていたから。
ただでさえ、縛ったのち2時間置くといわれているのに・・・。悩んでいたら、さらに追い打ちで5時間ぐらいと訂正されてしまった。
マニアでもない普通の人をそんなハ−ドな目に合わせられないし、途中、気分が悪くなったら撮影どころじゃないなぁ・・・と思うとなおさら悩みが深くなるばかり。
昨日、深夜まで縛り方を考え続けてたけれども どうかなぁ・・と思いながらいた。
最初に聞いたリハ−サルの時間が朝8時からだったんで、気持ち急いで縛った。
10〜15分。9時20分完成! 急いだのに、もう少し待って! でバスの中にず−っと。
その間に縛ったのを記念に撮ったり、メイクさんが死体風にお化粧してゆくのなどを見ていた。気がつくとバスの前席には織田裕二さんがいた。
ビデオで見たのと同じだぁ。妙に感心。でも、絶対声をかけられない雰囲気があって
近くにいるのにサインも握手も求められなかった。
仕事に集中しているのだろう感じが伝わってくる。それは撮影スタッフの方全員からも
ただよってきていた。ようやく11時20分になって、撮影場所へ移動することになった。(その頃には死体役は気持ちよさそうに縛られたまま眠っていたのだが)
グルグルの包帯の上からかかる赤の亀甲縄。
コ−トをはおり、車椅子に乗って出発。階段があるとおりて歩くので、足元から赤の縄が覗く。とおりがかりの人の好奇心の目が。
包帯亀甲縛りオトコ、ラインプロデュ−サ−、看護師、私の怪しい集団が第3お台場公園の端まで歩いてゆく。
撮影はすごい緊張の中で行なわれていた。
しばし待ったのち 包帯亀甲縛りオトコさんを赤の縄で作った蜘の巣に固定しようとすると横から「スカ○○さん入ります!」の大きな声。
それに答える撮影陣の「よろしくお願いします!」の声がワ−ッと来て、すぐに撮影準備スタ−トとなった。
すごい活気とム−ドにあふれてた。この一瞬の雰囲気だけでもこれが撮影現場なんだって思える。死体役の本日の主役の顔を死体に見えるようにメイクさんが修正してる。
私も一スタッフとして主役を縛ってゆく。
雰囲気にのまれるように、急いだ。考えるゆとりなどない、そんな感じだった。
「リハ−サルいきます!」で警察官に扮する俳優さんたちが死体の方を見る。
リハ−サルのあと、まずいところをなおして撮り直すのだろうと思ってたら いつのまにか本番になっていた。 はじめはリハ−サルだけ、どうせあとで縛り直しだろうと思ってた私はいつのまにか本番を撮ってることを知り驚いた。
リハ−サルと本番の間はだいぶ時間があるとスタッフの人に聞いてたから・・・。
それと初めてこういう撮影現場にいた私にとって、いつからいつまでが準備でリハ−サルなのか本番との区別がつかない。 ひとつの場面が終わると縛りを少し修正したりするのだがその切り替わりがわからなくて困った。 毎回、呼びだしてくれたお兄さんが「呼ばなくていいように、ちゃんと聞いて!」と叱られ、見かねたのか別のお兄さんたちが解説してくれた。 海辺の日差しは強い。海を見るとときどき散歩する人がいるだけでのどかだった。フト見ると、食パンをまいてるお兄さんがいるので「ナゼ?」と聞くと、絵作りのために鳥を画面の中に入れたいと思ってるのだとか。
さりげない背景にも努力しようとしてる。全員がベストを尽くそうと頑張ってる。
気がつくと13時30分をまわってたが、お昼休みの気配もなかった。
撮影が終わったのが14時15分ごろ。バスの方に歩きながら、お弁当がでますからって言葉で元気になり。ご飯はなんだろうって期待した。 
それが・・・助監督に出会ったら、どこの駅から帰ります? 駅まで送りますって話になって、う−っ、お昼は??? って内心落ち込んでた。
車まで送っていただいたのち、これってお弁当とお茶を渡された。
しかし、一体どこで食べたらいいのだと思いつつ受け取り。
駅に着いた時、包帯担当だった看護師さんと一緒にベンチを探して食べていた。
SMの世界では先生と呼ばれることが多いけれど、映画の世界では職人みたいなもので、エキストラとたいして変わりはない感覚なのだと思う。
日陰のベンチでお茶で暖をとりつつ。それでも別世界を覗いてきた。
オモシロイことしてるという充実感があった。
ただし、今日の縛りのことを考えると 蜘の巣はSM的じゃないし、縛り方も本当はもっと凝ってみたかった。 気持ちの上では緊縛師として参加するのだからそれなりの縛りじゃないと恥ずかしいような気がしてたけれど、凝っても全体像として綺麗に見えないと
ゼミの中で某氏にいわれたこともあって控えめ。
縛った相手がしめすぎで気分悪くなったら、撮影そのものがストップしてしまう。
すぐに撮影して解くわけにもいかないから いつもとは逆に楽な縛りとは何かずいぶん考えさせられた。 しかし、そんな苦労は見る人にはわかるハズもないのだが。
勉強にはなった。
(縛りを検討するにあたっては男性3人、女性1人にモデル協力していただき、昨日は立ってるのもやっとみたいな方をしかもSだというのに縛らせてもらってご意見を伺いながら23時までやっていた。10分か15分の縛りだけれど、数多くの人の協力のうちに成り立っていることは忘れてはならないことだと思う。)

2003.3.5



(某映画のこと)
夏に公開になる映画に協力することとなり何ケ月かが過ぎた。

@ 3月の撮影では 集合7時で待つものの。 おいてけぼりとなり 後からタクシーで行った。
  到着すると、すでに手が出せないぐらいに完成してしまっており・・・
  微調整のみ。 時間的に手が出せない状況だけど、そんなこと見る人にはわからんだろうし。  私の責任になるんだよなぁ・・・。たぶん。
A 3月下旬に撮影との話で
  月末の予定を空けて、待っていた。 いっこうに連絡ないので連絡すると
  (あれぐらいの(@の撮影))縛れる方が来るので要らなくなったと折り返しの電話で。
  手早く、負担のない縛りにするために4人の方を縛って検討したもの。シンプルだけど。
  会員さんの犠牲の上に成り立ってる。縛る相手はマニアじゃないから超ソフトに縛った。
  思い切り縛りたい気持ちを抑えて、ストレスがたまり続け・・・。
  いっそのこと 吊るしてしまえばよかったのかと思う。
B 5月3日に撮影する予定の話が
  日にちが近づいても何も連絡ないので連絡すると 撮影場所が変更になり 縛りもあるけれ
  ど映画会社の美術部でやるから不要になったと。
 
 必要な時しか連絡がない(;__;)
 映画の世界では緊縛師は縛る道具という感じで SMの世界のような先生という感じはない。
 常日頃、最近の時代劇など 縛りが単純で、物足りない思いがあったから 参加する以上は
 一生懸命にやろうとした。
 2月から 文献を買い、ロープを買い、縄の染色もして いろいろなものを縛り。
 毎日、少しつづって決めてサンプル縛りして終電で帰ったことも何度だったか.
 SMの世界では信じられないほど安いギャラだったけれど、アシが出ても 頑張ろうって思って  た。 いいものを作りたい・・・と。
 ギャラは払うといわれても・・・すでにギャラ以上にお金かけてるから、言われると余計
 怒りたくなってきちゃって・・・人間ができてないから。
 3ケ月近く 努力して 検討されることもなくパアになるっていうのも。^^;;;;
 映画の世界では縛りは添え物にすぎないのだろうけれど
 たまるものがあるなー・・・。
 こんな時は何も考えずに縛り続けようと。否定されても縛ることしか自分にはないと。
 原点に戻って勉強し直そうと縛り続けてた。
2003.4.29
(→映画のクレジットには 緊縛指導ってことではどうでしょうかと聞かれた。縛り方は提案したけど見てもない。知らない方が縛ったところもあるものを自分の責任にはできない。 ってことで、緊縛師とさせていただくことに。 縛りに関して協力は惜しまないつもりでも、立ち会えず、見てもないものに太鼓判を押すような。  2003.5.4 撮影の時の模様のレポートは映画の公開日に
2月、3月のひとりごとに追加します。)

(これで、SM以外の世界にコリたかというと そうでもない。
新しい世界を知ることは 勉強になることだし。オモシロイと思うから。
それに、やっぱり 今の演劇関係の縛りって 簡単なモノが多くて 手伝いたいって気持ちあるから・・・。)
2003.5.8)

神楽坂で食事して飲んで(師匠の知り合い(女性)と)
映画の話に翻弄されてしまった話をしてたら
「○○○○○○に踊らされた!!」というタイトルの記事を書こうかと。
現実には たとえ出せたとしてもそこまではと思う私だけれど、気持ちを理解していただけただけで救われるような気がしてた。
一生懸命、縛りを考えるのだという重圧から離れて久々に深酒。
2003.5.1

縛りを極めるなら縛り続け、迷ったら何も考えずに縛り。
気合が入ってるせいかぜんぜん疲れない日だった。
2003.5.4

昨日の朝、7月に公開になる映画の予告編がフジで放送された。
一瞬だけど赤の縄があったと麗子さん。 「カズミちゃんのパクリじゃないかと」
教えていただいた。 「あれは アタシが縛りにいったの」
だから気にしないでって。
本当に瞬間の映像なのに鋭いものだ!! アタシの方がビックリ!!
2003.6.6

合間に 週刊誌さんへ写真渡し。7月24日発売の 「週刊実話」に
「踊る大捜査線2」の3月の蜘蛛の巣縛りに関しての記事が出るのだとか
2003.7.19

”蜘蛛の巣縛り流行の兆し”と週刊実話のタイトルにあったが・・・・
今日の縛りも 何かインパクトのあるものってことで、締めは蜘蛛の巣に決定!!
週刊誌の編集長の命令で 嫌々ながら縛られながら取材する乙女 ”しのぶ”さん という設定。
はじめは嫌々だったけど だんだん好きになっていくというストーリーなんだとか
では まず初めに 会ってご挨拶してるトコから 写真撮りとかで
向き合ったまま ストップ。 なんか不自然だなーと思う私だったが
しのぶさんの方は 当然のように スローモーションビデオが止まったみたいに おじぎし続け。
着衣のまま縛って 後手で正座してる写真。足をあげてチラリ・・・、ひっくりかえしてチラリ。
今日のためにと着てきてくださった下着が黒のレースだったもので 脱いでいただき
ブラとパンティでの縛りに移る。
初めはおとなしく 片足上げ、縄で引っ張りあげ、もう片方の足も縄で引っ張って固定。
しのぶさんは宙に浮いてる方が楽だとか言ってた。
手首だけ休めたのち、水平吊りから 少しからだを動かして展開。
降りたところで、スタンダードな海老縛り。 そのひっくりかえし^^
海老縛りのまま 倒すと 男性好みのポーズとなった。
最後は蜘蛛の巣縛り、時間かかるけど いい雰囲気になった。
そんなこんなで2時間40分ぐらい。
写真は8月18日発売の「週刊特報」に載る予定なのだとか
ブラとパンティだけの姿で、最後にインタビューするフリの写真。
ゼミに来ていきなり縛られちゃったから、取材するのがアトになったのだとか いう設定。
あー、なんかイジメだぁ・・・。
2003.7.29

やっと見れた!! 「踊る大捜査線2」 
どんなことでも かかわった人は自動的に見られるのかと思ってた私だったけど・・・
公開になった後も、ずーっと 座席が完売のためとれなくて(;__;)
雑誌なんかだと掲載されると8割ぐらいは送ってもらえるのと大きく違う。
(掲載したことを教えてくれないところも、毎回、送ります!! といって一度もいただいたことのないところもあることはある)
撮った映像はもっと、相当あるはずなのに映画になると 減るのね〜。
あと、犯人は縛り続けていないと落ち着かないような病的な男性って設定ですと言われたワリには マニアじゃないリストラサラリーマンってことに・・・。アッサリ。
レイトショー 終わって出ると 夏の夜空が広がってた。
過去のことを見てたってしょうがない。 
今は無心に縛り続けていたい。 そんな思いだった。
2003.8.2

上記の映画をSM雑誌の編集の方が見たっていってたんで クレジット見てくれた? って
いったら、ぜんぜん見てない・・・とか SM雑誌作ってる方でも あんなものは見ないんだろうなぁ
そんなことより、最近はM女じゃないの? って。
こういってくれるのは 昔を知る人だけだなーって しみじみ
縛ろうかなんていってるんで、じゃあ 私が縛ってる縛られ心地わかんないから同じ縛りをやって欲しいってリクエストしたら そういうのはめんどーなのだとかで逃げられてしまった。
2003.8.4



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